
日帰り大腸ポリープ切除
日帰り大腸ポリープ切除
当院では、大腸内視鏡検査と同時に日帰り大腸ポリープ切除を行うことができます。
ポリープを見つけたその場で切除できるため、治療を先延ばしにすることなく、早期に対応することができます。
健診センターなど、一部の施設では内視鏡検査のみを行い、ポリープの切除は対応していない場合があります。そのような場合は、後日あらためて切除のための大腸内視鏡検査を受ける必要があり、再度日程調整や前処置(下剤の内服など)が必要になります。
当院では、検査前の説明時に「ポリープが見つかった場合はその場で切除希望」とお伝えいただければ、見つけたポリープをその場で切除いたします。
大腸ポリープとは、大腸の粘膜にできる小さな「できもの」のことをいいます。多くは良性ですが、種類によっては将来的にがんへと変化する可能性があるため、がん化のリスクがあるポリープは早めに切除しておくことが、大腸がんの予防につながります。中には、すでにがん化しているポリープが見つかることもありますが、その場合でも内視鏡によって切除できるケースがあります。
大腸がんは、早期発見・早期治療がとても大切です。
「日帰り大腸ポリープ切除」は、大腸内視鏡検査の際にポリープを発見した場合、その場で切除し、当日中にご帰宅いただける治療法です。
以前は入院が必要な場合もありましたが、内視鏡技術の進歩により、現在では10mm前後(形によっては20mm程度まで)のポリープであれば、安全に日帰りで切除することが可能になりました。出血などの合併症を抑える切除法も普及しており、身体への負担も少なく、安心して受けていただける治療です。
大腸ポリープにはいくつかの種類があり、それぞれ将来がんになる可能性(がん化のリスク)が異なります。
最もよく見られるタイプのポリープです。
放っておくと将来的にがんになる可能性があるため、最近では小さなものでも切除した方が良いとされています。
以前は「がんになる心配のないポリープ」とされ、切除の必要はないとされていました。
しかし、できた場所や大きさ、表面の模様などによっては、「鋸歯状病変(きょしじょうびょうへん)」と呼ばれる、がん化の可能性があるタイプのこともあるため、そういった場合には切除が必要になります。
潰瘍性大腸炎などの腸の炎症によってできるポリープです。
このタイプのポリープ自体ががんになることはほとんどありませんが、できた周囲の粘膜は長く炎症が続いていたことが多く、大腸がんができやすい環境になっている可能性があります。定期的な経過観察が大切です。
大腸内視鏡検査と同時に手術を行えるため、治療を先延ばしにせず、早期に対応できます。
日帰りで治療が完了するため、入院の必要がありません。
お仕事やご家庭の予定も調整しやすく、普段の生活への影響を最小限に抑えることができます。
入院を伴わないため、入院費用がかからず、全体の治療費を抑えることができます。
また、公的な健康保険が適用されるため、比較的少ない自己負担で手術を受けることが可能です。
※ご加入中の民間の保険(医療保険やがん保険など)によっては、「入院を伴う治療」のみが対象となっている場合があります。日帰り手術が保険の対象となるかどうか、事前に保険会社へご確認されることをおすすめします。
日帰り大腸ポリープ切除は、次のような流れで進みます。
1
事前診察・検査のご説明
大腸内視鏡検査のご予約時や事前診察の際に、ポリープが見つかった場合にその場で切除を行うかどうかをお伺いします。
ご希望のある方は、遠慮なくお申し出ください。
2
大腸内視鏡検査・ポリープ切除
検査当日、大腸の中を内視鏡で丁寧に観察し、ポリープなどの異常がないかを確認します。
ポリープが見つかった場合には、専用の器具を使ってその場で切除を行います。
ポリープの切除方法や切除後の出血の具合によっては、止血のために小さな金属の留め具(クリップ)をかけることや、電気で焼き固める処置(電気凝固)を行うことがあります。
3
術後の経過観察とご説明
検査・処置後は、リカバリー室で約1時間ほど安静にしてお休みいただきます。
その後、出血や痛みがないかを確認し、検査結果のご説明を行ったうえでご帰宅となります。
手術後、3日程度(大きなポリープの場合は7日間)出血のリスクがありますので、次のような生活は控えていただくようお願いします。
食事については、治療当日は消化の良いものをお召し上がりいただき、その後も上記期間中は刺激が強い食べ物を避けるようにしてください。
また、切除後の便に少量の血液が混じることは一時的なもので問題ありませんが、もしも血便が続いたり、一目でわかるくらいの大量の血が出た場合は、すぐに当院または、休日や夜間の場合は救急病院にご連絡ください。
ごくまれに、内視鏡の操作によって腸に穴が開くことがあります。治療後に状態を確認しますが、帰宅後に腹痛や発熱が生じた場合はすぐにご連絡ください。
健康保険が適用され、3割負担の場合、費用は約24,000円~30,000円程度が目安となります。
ポリープの個数や大きさによって、最終的な費用は異なる場合がありますので、あらかじめご了承ください。
自己負担額が一定額を超える場合、高額療養費制度を利用することで、自己負担を軽減することができます。詳細については、当院スタッフにご相談ください。
ポリープを切除しても、新たにポリープが発生する可能性があります。
すべてのポリープを切除した場合では基本的には3年後の検査をお勧めします。
ただし、以下の場合は検査の間隔が短くなることがあります。
その場合、1~2年後に再検査を受けていただくことを推奨することがあります。
日帰り大腸ポリープ切除は、安全で負担が少ない治療法です。定期的に検査を受けることで、ポリープを早期に発見し、切除することで、大腸がんのリスクを低減させることができます。
大腸ポリープが気になる方は、お気軽に当院へご相談ください。